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所得変化に対する消費の変化率を

所得変化に対する消費の変化率を限界消費性向と呼んでいるが、ケインズ経済学においては限界消費性向は現在の消費・貯蓄決定行動によって規定された一定のパラメーターである。ところで合理的で時間を通じて最適化を計る家計であれば、その限りにおいては、所得の変化が一時的なものなのか恒久的なものなのかにより異なる消費決定をする。すなわち、所得変化が一時的で来期には元の水準に戻ると予測すれば、現時点ではあまり消費を増やさずに将来時点の消費のために貯蓄を増やすであろう。逆に所得変化が恒久的なものと予測すれば、所得の増分を現時点の消費に全て振り向けるはずである。その結果として家計が合理的ならば、限界消費性向は所得変化の性質に対する予測によって変化する内生的変数であり外生的なパラメーターではない。このように合理的で時を通じた最適化を図る経済主体は、将来に対して予測を行い、それに基づいて最適な行動を決定する。ケインズ経済学ではこのような経済主体の予測つまり期待を織り込むことが出来ないため、内生的な変数を誤って外生的なパラメーターとして扱ってしまうと評価されている[2]。
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さらにケインズ経済学が経済主体の期待を織り込むことに失敗していたためにマクロ経済政策の評価方法に関しても問題が生じていた。つまり過去のデータを用いて経済主体の行動を推定しその推定に基づいて将来採るべき政策を評価してきたため、政策の変化に対する経済主体の行動の変化を織り込むことが出来ず、適切な評価が困難となっていたのである。ロバート・ルーカスは従来のマクロ経済学が経済主体の期待を考慮していないことを批判して、現在の政策変更が将来に関する経済主体の期待に影響を与えるため経済主体の行動を変える可能性を指摘した。ルーカスは伝統的なケインズ経済学の方法論を批判し経済主体の期待の果たす役割を強調したのであるが、彼にちなみこの批判はルーカス批判と呼ばれている。

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2009年07月01日 02:40に投稿されたエントリーのページです。

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